昔、住んでいた街へ。用を済ませ、懐かしさのあまり周辺を探索。
小さい頃、乳母車に乗せられ、毎日のように母と通ったあの耳鼻科はどこだろう?
記憶とは曖昧なもので、周りの空気しか覚えていない。乳母車からの風景とは、やはり異なる。
仕方なく、すれ違う初老の男性に尋ねた。
近所でも評判の耳鼻科だったんだろう。初老の男性は、先生は亡くなり診療所はしていないと言った。とりあえず道順を聞き、診療所のあった場所へ。
建てものは改装をしていたが、診療所が角地だったこと、ガラスブロックが懐かしい。
待ち時間、前の道で遊んでいたのを覚えている。
乳母車に僕を乗せ、弟をおぶり、この細い路地を母が毎日通っていたと思うと、ありがたい気持ちで目頭が熱くなった。


